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「ホテル・ルワンダ」まずは見る。それからはじまる。 [映画系]

かなり遅くなりましたが、1月6日に行われましたホテル・ルワンダ試写会より映画内容を簡単にレビューしたい。これは 是非見に行ってほしい映画である。

内容についてここではくわしく触れない。既にいろいろなところでながれているだろうし。知らなかったら詳細はコチラで確認して欲しい。そしてできるならば実際に映画館へ足を運んで自分の目で「4月のある日にそこでなにが起こったのか」を確かめて欲しい。ルワンダはフツ族によるツチ族虐殺により3ヶ月間で80万人~100万人にのぼる人々が命を落とした。(ルワンダの人口は2004年現在で約841万人)この物語はその狂気の中で、自らは多数派フツ族に属しながらも、家族を守ろうと決意し結果1268人もの人々を救うことととなったミル・コリンホテル元副総支配人ポール・ルセサバギナの格闘と家族愛の物語である。

最初はツチ族虐殺を示唆する露骨な民族主義(フツ・パワーと呼ばれる)の台頭に心を痛めながらも、まさか現実になるとは考えていなかった主人公。姉夫婦が情報を得て“これは現実になるから今のウチに逃げよう”と意見するが耳を貸さなかった。ある意味インテリ・知識階級であるがゆえの現状認識の甘さが描かれていた。だが彼は実際にコトがおきると、見て見ぬふりを決め込んだりはせず、ホテルマンとして白人社会でのし上がってきた実力をいかんなく発揮し、賄賂・ハッタリ・脅しなどあらゆる手段を駆使して虐殺者たちに立ち向かう。圧巻は、国連による介入軍の到着を待ちながら、国連は単に外国人居住者を引き上げさせPKFも特に増員もせず、結局ルワンダを事実上見殺しにした部分の描写だ。黒人たちを尻目に白人たちは自国の軍隊が用意したバスに乗り込む。現地人たちはそれをただ見守るのみだ。雨が降る。その中を白人宣教師に手を引かれた現地の孤児たちがやってくる。だが約束の地へいくバスに乗れるのは白人宣教師達だ。激しく降る雨の中、ポールたちは彼らが去っていくのを見つめる。絶望と安直に言ってしまうにはあまりにも言葉が軽いシークエンスだった。

映画は結末がつくけれども、現実は決してそうではない。この映画を見て、アフリカになにができるのかと考えることはたやすいが、それはある種の思考停止状態といえる。なぜならば、ではそこでアナタは今までアフリカのナニを知っていたのかと問われて、果たして答えられるのか。アフリカの歴史についてどれほど学んだのか。あるいは冷戦下においてソ連などの東側諸国がアフリカに及ぼした影響についてどれほど理解しているのか。それらの問題についてまず触れなればアフリカの現状を考える端緒に到達したともいえないのだ。白いバンドを買っただけではアフリカ・アジアの貧困についてなにも知ったことにならないのと同じように。

この映画をみることは非常に重要である。そしてそれと同じくらい重要なのは、今後アフリカ諸国、あるいは旧冷戦下の社会構造について多少なりとも知識を得ることではないだろうか。カラシニコフは旧ソ連が開発したモノだが現在それはどこが生産し、誰が使わされているのか。そういった国際社会構造における負の側面について考えることだと私は思う。

最後に、全く許せない出来事を二つほどあげたい。それはこの試写会に来ていた人間のマナーの悪さだ。私の隣に座っていた30ぐらいの男性は、映画のクライマックス場面で携帯を取り出しパッカパッカご開帳してくださった。こっちは集中できずいらいらしっぱなし。おまけに妙な臭いがするなと思いきや、映画終了後ふとその男性を見れば、靴を脱ぎ椅子の上であぐらをかいていた。まったく信じられない。こういう人間がこの映画を見てアフリカを救わねばなどと発言したら私は即座にぶん殴っていたと思う。そして試写会途中に来て終わる前に退場し、シンポジウム途中に来て、終わる前に帰ったりといった謎の行動をしていた若い女性たち。なんだかな。見たことで自己満足する前にもうちょっとなにかやりようがなかったのかと思った。(シンポジウムも開催されてましたがコチラでは触れません。別ブログのこのあたりの記事http://blog.so-net.ne.jp/pussycat/2006-01-14をお読みくだされば幸い。)

ちなみに頂いたパンフレット

表紙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏表紙


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